おもちゃ屋店主のacoです
精神保健福祉士×保育士の店主が綴る 仕事と子育ての話
子育てのこと

辛かったのは、一生懸命だったから。

こんにちは。

にじのおもちゃ屋レーゲンボーゲンの店主acoです。

みなさんにとって、手放せない怒りとか理不尽ってなにかありますか?

私は、ずーっとありました。

それも、8年半も笑

8年半前、子どもが生まれてから、ずーっと小さな怒りをため込んでしまった。。

もちろん、子どもに対してではないんです。

でも、子どもと暮らしていると、なにかと不便だったり、自分が後回しになったりして、それが時々苦しくなったりするじゃないですか。

それをね、私はずっと人のせいにしてきた気がするんです。

こんなに苦しいのに、助けてくれないって。

8年半。考えると恐ろしいですね笑

こんなに自分は頑張っているのに。

こんなに自分を犠牲にしているのに。

自分ばかり我慢しているのに。

まとまって眠れない。

あったかいご飯が食べられない。

ゆっくりお風呂に入れない。

好きな時にトイレも行けない。

何をやっていても子どもの声掛けで中断される。

行きたい場所や食べたいものも、子どもに合わせないといけない。

もっと助けてくれる人がいれば、家族がわかってくれれば、協力してくれれば、そんな風に思ったりする。

社会は助けてくれない。

パートナーは変わってくれない。

そんな不満ばかりがたまって、いつの間にか社会へもパートナーへも、腹立たしい気持ちがふつふつと湧いてきてしまったのです。

私が、その思いをふっと手放せたきっかけ。

それは、高校時代からの友人が出産を経て、新生児との生活に四苦八苦している姿が自分と重なったからです。

新しい命の誕生に、喜びと、不安が入り混じって、頑張ってるのにうまくできなかったり、体が追い付かなかったりしながら、葛藤している姿をみて、本当に本当によく頑張っていると思いました。

パートナーへ対する不満や、自分の体がうまく動かないことへのいら立ちも、手に取るようにわかる。

そして、慣れない育児に100%向き合っている彼女をみて、ただひたすらに愛おしいなぁと感じたんです。

どんな母親も、最初から「母親」ではなかった。

私は、友人をずっと知っていて、「母親」ではない彼女との時間の方が長くて、そんな彼女が今「母親」として全身全霊で子どもと向き合っている。

それが、とても尊くて。

子どものために、必死になっている姿。

ただただ一人の「母親」としての彼女を、心から尊敬しています。

そして、ふと思ったのは、もしかしたら私も同じだったのではないかということでした。

苦しい中にいるとき、私は自分の姿なんて全く見えなくて、自分が考えることは全て正しいって思っていました。

自分の考えや選択が正しいって思いたくて、それと違う社会やパートナーを責めたかった。

だけど、今振り返ってみたら、誰も悪くなくて、ただ私が一生懸命だっただけなんじゃないかって思えてきたんです。

一生懸命すぎて、ちょっとつらかった。

きっと、それなんだなって。

それぞれに、一生懸命で周りがよく見えなくなってただけ。

誰も悪くないんだな、ただ私が周りが見えないくらい一生懸命だったんだな、と思ったら、突然8年半溜めてきた怒りが浄化されていきました。

もちろん、今の私も、未熟だし不完全で足りないところもある。

同じように、社会やパートナーにも未熟で不完全なところ、足りないところがある。

それでも、それが今の自分の、この社会の、その人の、できうる精一杯なんだろうと思う。

きっと、誰だって精一杯やってるんだと思ったんです。

だから、自分の怒りの原因を誰かのせいにするのは、もうやめようと思いました。

一生懸命だったってことは、きっと“私が、そうしたかったからしてきた”ということ。

結局は、私が自分で決めてやってきたこと。

頑張ってきたんだよね、私。

そう思えたら、心がとんでいきそうなくらい軽い!!

たぶんね、今心の中に怒りがあって、手放せない人もいると思うんです。

私だって8年半も拗らせ続けてきたんです。

しかも、この怒り、忘れてたまるものか!!とすら思っていました笑

みなさんが抱える怒りも、今すぐに手放せないかもしれないし、私に想像ができないくらい状況も環境も違って、「そんな簡単じゃないよ」って方もいると思う。

今まさに苦しい状況にあったら、そんな怒りを手放すなんてできなくて当たり前だし。

怒っていいし、それを伝えてもいい。

「自分で選んできたことでしょう?」って割り切っちゃうのは、ちょっと寂しい。

だって、私は、みんなの苦しみは知らないから。

人には、その人しかわからない苦しみがある。これも事実。

だから、怒ってもいいし、それを無理に手放さなくてもいい。

だけど、いつか、今苦しい思いを抱えている人が、過去を振り返った時に、自分のことを「つらくなるくらい、一生懸命だったんだよね」って思ってもらえたらいいなって思っています。

自分が歩んできた道や、選んだこと、我慢したこと、挑戦したこと、分かり合えなかったこと、苦しかったこと。

一生懸命なだけなんだよね。

それが、伝わったら嬉しいな。

一生懸命なだけなんだよね、って。

誰かと話すだけで、気持ちが軽くなることもあるから、つらくなったら吐き出していきましょうね!

少しでも、今苦しい状況にある人の心が、ほぐれますように。