おもちゃ屋店主のacoです
精神保健福祉士×保育士の店主が綴る 仕事と子育ての話
大好きな本の事

一人ひとりできる事が違って、一人ひとりできない事も違う

こんにちは。

にじのおもちゃ屋レーゲンボーゲンの店主acoです。

暑い暑い8月がやってきました。

Instagramでは、月ごとにテーマを決めて、おもちゃや遊び、暮らしのアイテムの情報をお届けしています。

今月のテーマは『音』

夏と言えばフェス!という方もいるかもしれませんが、にじのおもちゃ屋としては特に大きな理由はなく、ただ生活の中で聞こえてくる『音』というのが、とても好きだから、という理由で決めました。

こどもと生活していると、聞こえてくる『音』ってとても賑やかで、今まで聞いた事もないような『音』が日常に溢れていますよね。

遊ぶ音、走る音、何かがぶつかる音、食べる音、料理する音、掃除する音、眠る音。

風景にも音があるし、声だって音のひとつ。

だけど、実はこの『音』というテーマにしたとき、少し違和感があったんですよね。

というのは、『音』というテーマは、音が聞こえない人たちを無視していることにならないだろうか、と思ったから。

私は以前公務員として勤めていましたが、窓口には多様な市民の方々がいらっしゃいました。

特に、私は福祉の部署にしか配属されない役職だったので、困りごとを抱えている方がほとんど。

そして、今でも忘れられないのは、耳の聞こえない市民の方がいらっしゃったときに、

「地域の敬老会は、行っても、たいてい昔流行った歌を歌いましょう、とか音楽にあわせて体をうごかしましょうとかばっかりで、行ってもわからないから行かない」

とおっしゃっていたこと。

私は、目からうろこでした。

ずっと福祉を勉強してきたはずなのに、不自由さを抱えている人の実生活のことを全く知らなかった、と思い知らされました。

そして、本来誰でも参加できるコミュニティに参加できないことは、やっぱり寂しいなって思ったんです。

忘れられないそんな経験があったから、テーマを『音』にしたときに、きっと違和感があったんだろうなと思いました。

だから、「音」がテーマであっても、不自由さを関係なく楽しんでほしくて、手元にあるこの本を1番最初の投稿にしようと決めました。

この絵本なら、きっとその違和感を感じずに、私自身も楽しんで投稿できそうと思ったんですよね。

「音にさわる」広瀬浩二郎作・日比野尚子絵

この絵本は、目でも楽しめるし、手でも楽しめる。読んでもらえば音として楽しめる。

ストーリーは、表紙に描かれている手の「さわるくん」が春夏秋冬を通して、いろんな音を感じる内容。

触らないと気付けない仕掛けもいっぱいあるんですよ♪

この本を手に取って、よりたくさんの人が、同じお話で楽しめるっていいなって、感じました。

初めて会った人でも、共通点があると嬉しくなるのと同じように、この絵本が不自由を抱えている人もそうでない人も繋げてくれる、そんな気もしました。

新型コロナウイルスが世の中に出てきて、触ることを制限されることが当たり前になりつつあるけれど、触ることって楽しいし嬉しい事なんだって思い出しました。

この絵本を通して、おうちの中で、たくさん絵本を触って、読んで、見て楽しんでほしいと思っています。

だけど、よく考えてみたら、疾患や障がいというくくりでなくたって、不自由さってきっと誰もが抱えているんじゃないかな、とも思ったりします。

耳が聞こえない・聞こえにくい、ということだけでなく、目が見えない、手足が動かせない、という不自由さ。それ以外にも、外からは見えにくい内部疾患や精神疾患。色々な不自由さがある。

疾患や障がいでなくても、小さい子どもや高齢の方、妊婦さんや小さな赤ちゃん連れの人も不自由さって絶対にある。

一人ひとりできることが違って、一人ひとりできないことも違う。

多様な不自由さを全部理解することは難しいけど、どんな人だって排除されず、“自分がいると迷惑をかけるかもしれない”“やっぱりこんな場所にこなければよかった”なんて思わずにすむコミュニティがつくれたら素敵だなって思いますね。

おや、なんだかちょっと壮大な話になってきちゃったかな。

今回の絵本の魅力が、Instagramからも伝わるといいなぁと思っています。

一人でも多くの方に、この絵本をお届けできたら嬉しいです。

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