おもちゃ屋店主のacoです
精神保健福祉士×保育士の店主が綴る 仕事と子育ての話
大好きな本の事

転んだ時の合言葉

こんにちは。

旅するおもちゃ屋さん開業に挑戦中の小池です。

私が最近気に入っている言葉

「せっかく ころんだんじゃ。
 なんか いいもん つかんでおかなきゃ
 もったいない」

これは、長女が学校から借りてきた『もったいないばあさんがくるよ!』の言葉。

もったいないばあさんの事はもちろん知っていたし、生活のためになる知識をたくさん持っている事も知っていたけど、まさかもったいないばちゃんから、転んでもただでは起きない、という精神を教わるとは思っていませんでした。

公務員なんて、福利厚生の整った良い条件で働ける職場を辞めた私ですが、

実際は失敗することがとても怖い性格です。

転ぶのも嫌いだし、転んだところを見られるのも恥ずかしい。

だから、今まで失敗しない転ばない選択ばかりしてきた気がします。

だけど、今は日々つまずいてばかり。

「もし、うまくいかなかったらどうしよう」

「このお金を無駄にしてしまったらどうしよう」

「こんな計画じゃうまくいくはずないと、周りから言われたらどうしよう」

そんな不安ばかりが頭を駆け巡ります。

それでも、自分の目標に少しずつでも近づきたい気持ちがあるから、今は失敗も勉強とやっと思えるようになりました。

そんなときに、もったいないばあさんに「せっかく転んだんだから、なにか良いものつかみなさいよ」なんて言われたものだから。

「転ぶのは、何かをつかめるチャンスなんだ」と思える言葉。

失敗が怖くなっても、きっと大丈夫と思える言葉。

私自身も、きっとこれからたくさん転んでしまうと思います。

その時つかむ物は、小さな小さな石かもしれないし、誰かが捨てていったゴミかもしれない。

だけど、小さな石に美しさを感じるかもしれないし、ゴミを拾った分町がきれいになったと思うかもしれない。

つかんだ物に意味を持たせる事ができるのは、きっと本人だけ。

だから、転ぶ自分も応援してあげたいと思いました。

今日何かに転んでしまった人も、転ぶのがこわい人も、きっときっと大丈夫。

SDGsが今とても大きな課題になっているので、「もったいないばあさん」はもってこいの絵本ですが、「もったいないばあさん」を、物を大切にするだけの人と思ったら本当にもったいないですよ。

絵本の中での「もったいないばあさん」は、ユーモアが溢れていて、とても柔軟で、だけど芯のある、知性に溢れた女性です。

私は「もったいないばあさん」に、背中を押してもらった気持ちです。

強くてしなやかで、優しくて、自分が大切にするべきものをちゃんと知っている、もったいないばあさん。

絵本を通して、私たちの生活の中で、ついおざなりになってしまう“大切なこと”が、きっと見つけられる気がします。