こんにちは。旅するおもちゃ屋さん開業に挑戦中の小池です。
皆さんは、風船は好きですか?
私は、ふわふわ浮いている風船が好きです。
子どものころ、自宅まで薬屋さんが巡回に来てくれていて、いつもゴム風船を置いて行ってくれたのを覚えています。
あれが嬉しくて、未だに実家に薬屋さんがくると「風船くれるかな?」と思ったり。いや、もう絶対こんな大人には風船をくれたりしないのは、わかっているのだけど、それくらい嬉しかった記憶です。
子どもって、風船好きですよね。
宙に浮いている風船も、浮かない風船も、我が子たちは大好きです。
テーマパークで見るかわいい風船。すごく高いし、結構大きくて荷物になるし、何かの役に立つわけじゃないし、遊ぶためのおもちゃとも違うし、私の兄は大人になってからこの風船に嫌悪感を抱いているくらいですが笑
なんでしょうね、あのワクワク感。
今日は、そんな風船が出てくる絵本。
「ロンパーちゃんとふうせん」
学生時代に本屋さんで見つけて、この愛らしいロンパーちゃんに一目ぼれして購入しました。
酒井駒子さんの作品です。
どのページの絵も、本当に子どものする仕草や表情が描かれていて、圧倒されるほどでした。
<以下ネタバレを含みます>
ロンパーちゃんは、まちで風船をもらいます。
飛ばされないように、指にくくっておうちに帰ります。
家の中で遊んでいると、何度も天井に行ってしまうので、何度もお母さんにとってもらって。
これじゃあかなわない、とお母さんがスプーンに風船をくくりつけてくれます。
風船と遊ぶロンパーちゃん、お外で風船を飛ばされてしまいます。
木に引っかかった風船を、なんとかお母さんが取ろうとしますが、なかなか取れません。
明日はしごを借りてとってあげるから、と言って、なんとか泣き止んでベッドに入りますが、
木に引っかかった風船を見つめて、ロンパーちゃんが「おつきさまみたいよ」とつぶやくところで物語は終わります。
最初は、絵に惹かれて読み始めた物語ですが、
ロンパーちゃんの風船と遊んでいるときの嬉しい気持ち、風に飛ばされてしまって木に引っかかった時の不安な気持ち、諦めきれずに悔しくて悲しい気持ち、そのどれもが一緒に嬉しかったり悲しかったりできる内容でした。
最後、ロンパーちゃんは木に引っかかった風船を「おつきさまみたいよ」と言います。
次の日、どうなったんだろう。なんて、大人になってから思うのです。
もしかしたら、次の日にははしごを借りて、ちゃんとロンパーちゃんの元に帰ったのだろうか。
それとも、次の日の朝にはまた風に飛ばされて、風船がなくなっていたりするのだろうか。
そういえば、風船ってずっとそのままではいてくれません。
時間がたつと、しぼんでしまいます。いつかは、風船とお別れする日が、くるのです。
こんなことから、失う悲しさを経験するのか、なんて大げさながらしみじみ思ってみたりします。
風船に限らず、大好きだった人形やおもちゃ、壊れたり失くしたりしたこと、誰にでもあるはずです。
その時悲しくても、楽しく遊んだ記憶や嬉しかった気持ちは、大人になっても忘れないものですね。
子どもたちが、そんな楽しい記憶や嬉しい気持ちを、一つでも多く持っていてほしいなと思います。