こんにちは。公務員をやめて、おもちゃ屋さんになることに挑戦中の小池です。
今回は、「公務員を辞めると決めた日」についてお話したいと思います。
公務員。安定した収入と、恵まれた福利厚生。
それゆえ、冗談話でない限り、辞めたいというのは本当に勇気が必要です。
私も、親兄弟やパートナーから反対をされた一人です。
では、どうやって辞めたのか。
結論から言えば、最終的には自分の覚悟の問題だった気がします。
私は、なんとなく退職したいと思い始めてから、本当に退職するまで9年以上かかりました。
結婚して、家を建てて、子供が生まれて。なんてしてると、本当にあっという間に時間は過ぎます。
そして、なんとなくその後の人生プランを考える余裕なく過ごしているうちに、公務員の甘い蜜も味わい、なんとなく辞めるのが惜しい気持ちにもなってきます。
産休育休がちゃんと取れるだけでなく、休んでいる場合代替職員を雇用することもできます。そして、年々少しずつでもお給料が上がります。年休もとれます。
もちろん、部署にもよるので、激務な課に配属されると公務員らしくないブラックな世界が繰り広げられていたりもしますが、一般企業の平均と比べたら、やっぱり福利厚生等は恵まれていると思います。
私の周りに役所勤めの公務員がいなかったため、「公務員は安定していて、一生働ける!」というマインドが漂っていて、「公務員をやめたら苦労する!」と言われてばかりでした。
自分でも、公務員を辞めたら本当に生活していけるのか、不安も心配もありました。
それでも、退職した理由。
それは、「自分の命の時間を費やすべきことが、他にある」とはっきり自覚した瞬間があったからです。
公務員の仕事は、自分なりに熱意をもって取り組んでいましたし、やりがいもありました。
だけど、仕事モードになると、どうしても手が抜けず、帰宅してから体調不良で動けない日がだんだんと多くなってもいました。
仕事が終わると、ダッシュで子供たちのお迎えに行き、その後帰宅して夕飯を作り、お風呂の準備をして、保育園の汚れ物を出したり、明日の準備、子供たちの寝かしつけ…。こなすのが精一杯で、子供たちの「ママ、聞いて!」にも「ママ、一緒にやって!」にも、ほとんど対応できず、そんな自分が嫌になり、イライラする毎日。
毎日、どこかしら調子が悪く、めまいがしたり、微熱がでたり、頭痛のたび嘔吐してしまう始末。
朝、子供たちに「早くして!」と怒鳴りつけながら仕事に出かける日々。
そのたびに、子供たちに「私はあなた達より仕事に行くほうが大切なのよ」と言っている気になりました。
そんな時、子供の命に関わるような大きな出来事に遭遇しました。
幸い、子供は今ではすっかり元気になり、何事もなかったかのように過ごしていますが、当時は自分も精神的にショックが大きく、通勤途中で涙が出てくるようになり、なぜ泣いているのかもわからず、どうしようもない不安が襲ってきました。
ある日、どうしても職場に向かう途中で涙が止められず、「もう無理だ、仕事には行けない」とはっきり自分の心が折れたのがわかりました。何が無理なのか、その時はわからなかったけれど、今思えば「自分の限りある時間を、本当に大切だと思えることだけに使いたい」という思いが爆発したような気がします。
本当は、ずっと子供のそばにいたかった事。本当は、もっと違う仕事を挑戦したかった事。ずっと心の奥にしまっていたことが、目の前の「命っていつか無くなるんだよ」という事実にぶち当たって、しまいきれなくなってしまったように思います。
それから、家族ともたくさん話し合いをしました。
自分の大切にしたいこと、現状、将来の懸念事項、家族自身の都合も。自分だけの思いで進めないのは仕方ないけれど、自分の気持ちがうまく伝えられずに、悲しくなることもありました。
最終的に、「辞めてもいいんじゃない?」と周りに認めてもらうものの、認めてもらったらもらったで不安になったり。だって、5年後、10年後、無職ってめっちゃ怖い。怖すぎる。辞めるのやめる?なんて、自分の心もブレまくりました。
私は、自分で最終決定をするのが、怖かったんですよね。
誰かが、「辞めて、こんな道に進みなよ」って決めてくれるのを、ちょっと待っていた感があります。だけど、誰も決めてくれない。自分で「辞める」っていえば、本当に辞められる状況になって、正直不安になりました。
だから、やっぱり自分で公務員を辞めるって決めるときは、覚悟しました。
「これは、自分で決めたこと」
後から、あの時辞めてよかったねって言われる未来を自分で作るしかない、そう腹をくくりました。
実際、今は退職して3か月経ち、自分の貯金が減っていくのはとっても不安です。
でも、毎日子供達が早く帰ってきて、ただ一緒にいるだけでも、とても心が軽いのです。これからやりたいことも、たくさんあります。
5年後、10年後、今自分で決めたことがどうなっているかわからないけれど、これでよかったと思えるまで、努力したいと思います。
今日は、ちょっと長文にになってしまいました。読みにくかったと思いますが、今公務員を辞めるか迷っている人に、何か考えるきっかけができれば、うれしいです。